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指 [06_短歌]


声でなく君の姿が欲しい日に空の十五夜指で突き刺す

ギター弾くピアノも奏でるその指が昨日を歌う夜の顔して

約束の指切りよりも正直な顔をしてると指差すあなた

その指が何本あるか数えてない暗い夜道を彷徨う身体

昨日だよ昨日だよって呼びかける明日の指切りできない二人

沈んだり浮上したり泳いだり地上と海をつなぐ中指

死ぬ時が来ても絡めた赤い糸蝶々結びくらいの束縛

夜の雲月を隠してどこまでも暴かないまま追いかけてきて

ひと声もあげず耐えて忍こと今生の恋すら戦国時代

対岸で君は返してくれという指が奪った記憶の手触り
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