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紅い紐 [02_詩]

紅い紐

「お前が必要なんだ。」 「でも、俺は妻を愛しているし、故郷を離れたくはない。」 「会社に縛られて、シャツがシワシワになって、  ネクタイが曲がってても、笑って営業に…」 そこまで言って彼は急に 携帯の声を押し殺した 一人寝の女の部屋で 夜が震えた 私は彼を縛る総てのものから 解放して 色を着けてあげたかった  (お前が必要なんだ) 守れない告白 色褪せないうちに 私は薬指に ガーネットの指輪をつけて 空中で手首を ひらり ひらり と揺らす まるで心中する事を 手招きするように
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