紅い紐 [02_詩]
紅い紐
「お前が必要なんだ。」 「でも、俺は妻を愛しているし、故郷を離れたくはない。」 「会社に縛られて、シャツがシワシワになって、 ネクタイが曲がってても、笑って営業に…」 そこまで言って彼は急に 携帯の声を押し殺した 一人寝の女の部屋で 夜が震えた 私は彼を縛る総てのものから 解放して 色を着けてあげたかった (お前が必要なんだ) 守れない告白 色褪せないうちに 私は薬指に ガーネットの指輪をつけて 空中で手首を ひらり ひらり と揺らす まるで心中する事を 手招きするように
「お前が必要なんだ。」 「でも、俺は妻を愛しているし、故郷を離れたくはない。」 「会社に縛られて、シャツがシワシワになって、 ネクタイが曲がってても、笑って営業に…」 そこまで言って彼は急に 携帯の声を押し殺した 一人寝の女の部屋で 夜が震えた 私は彼を縛る総てのものから 解放して 色を着けてあげたかった (お前が必要なんだ) 守れない告白 色褪せないうちに 私は薬指に ガーネットの指輪をつけて 空中で手首を ひらり ひらり と揺らす まるで心中する事を 手招きするように
2011-11-10 22:13
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